2019年2月9日土曜日

住宅環境

Yamaotoko
住宅環境、自然共有、自然素材、桧、ヒバ
奥多摩の下刈り、作業道作りに森林組合他37名が参加、好い汗を流しました。平成18年6月17日、モック、森の会、立教大学生等見えない善行が輝いて居ました。昨年には鹿の食害地現場見学45名参加、毎年元気に頑張っております。

☆新東京木材商業協同組合では住宅用木材の供給と自然環境保全を考えながら昭和51年から奥多摩森林組合と協力しながら植栽をして来ました。吉野杉、北山杉、吉野檜、地杉約46,000本の木々は目通り約15から20センチ位の太さに成長して来ました。組合の青年たちが汗を流しながら毎年丹精をこめて、下刈り、枝打ちなどを致しております。山も少しは人の手が加わることによって、より自然な状態を保持できる事だと思われます。自然の雑木、広葉樹を含め、昔から熊、鹿、狸、人間などが歩き回ることで、山、木々の手に届かない部分が、痒いところといった方が分かりやすいかも知れませんが、自然循環していると思われます。住宅用木材の利用が減少する事で、自然が荒廃するのは さびしい気持ちが致しますネ!

平成15年2月11日 日刊木材新聞より 平成14年の製材需給は農林水産省統計によると我が国、製材品出荷は昭和48年の4534万立米が平成14年では 対比68.3%減となり、1438万立米だそうです。製材用素材入荷量は2212万立米で昭和48年の6370万 立米をピークに減少し続けています。内訳は国産材1119万立米(4.9%減)、外材1093万立米(9.8%減) 製材用素材入荷にしめる国産材比率は50.6%となっています。外材が昭和53年には62.7%を占めたが平成に 入ってからシエアの低下が急速になって来ています。

●住宅はとかく丈夫だけを追求しすぎて、鉄、コンクリート等無機質材が多く使用がちの傾向が 多く見られますが、住宅使用部材も木材の様な季節、環境に伴い変化する方が人に優しい事と思 われます。多くの人々は四季に触れ古い町並み、古いお寺やその庭、桜等の花などのため好んで 遠方を訪れ、その中に安らぎを求めるのは、不足しているものを求める自然環境変化の影響であ る気が致します。自然環境動物の仲間、人間のためには木材は不可欠なものであるといえるでし ょう!確かに建築資材としての木材は水分を多く含んで乾燥すると曲がったりしますが、又水分 を含むと元に戻る性質があり、その時々の温度、湿度に敏感に反応し、環境の変化を教えて呉れ ます。この事が一番大切な木の性質で有ると思います。つまり、環境変化の均衡では、今はやり の花粉症等も木々が何かの異常を知らせていると解釈出来ます。本来これほどの被害を人々に与 えたことは無かったはずです。又、昆虫等都会には見ることは出来ませんし、野菜畑にはヒバリ 、チョウチョ等も昔のように飛ぶ姿は消え去りました。現代の若い人々は知ることは無いと思い ますが、環境変化の早さは益々動きを早めて来ています。

●さて、治山治水の見方をすれば、山があり、山に木々があり此処から水が生まれ、酸素が生ま れ、人間他に大切な空気が出来上がります。倒木の廻りに若木がそれを栄養分として成長して行 く姿があります。自然の営みを大切にしながら、山には多くの植林された木材が有ります。 住宅に供給されるべく大切に育てられた数多くの木々たちも元気に成長しております。自然と共 有するためには、これらを無視することは大変重大な事とと思います。 住宅の気密性、防火など色々云われてる昨今ですが、その弊害が今や大事な問題と成って来てい ます。つまり、人間有害材料使用の影響が非常に多い事態となり、ホルマリン臭、産業廃棄など 多くの自然と調和の取れない場面が多く見られます。本来有るべき生活居住空間には自然が沢山 含まれる事が大切な要点でしょう。

●住宅用木材について少し述べて見ましょう。元々、日本の高温多湿の状況下での自然素材の 利用は地域の木材を用いて、その地方で利用するのが理想的な使い方であると思います。海外の 木材は元々日本の気候風土とは異なった環境のもとに育てられた材木のため、施工後の変化が見 えにくい部分が沢山有ります。たとえば害虫、腐れ、欠陥(成長が早いため強度が弱い等)、 他にそれらを補うため、乾燥、薬剤などの使用を余儀なくされてます。

●初めに、ひばからお話しましょう。元々青森ひばが有名で、青森県が主生産地、色は濃黄色、 匂いもすぐ解るほどの香りがします。ひばの表面が黒く汚れても削ると元の黄色い木肌を見る ことが出来ます。住宅の土台部分によく使用され、心持ち材(年輪中心部が有る)を使用します が、狂いやすく使用には大工による施工のコツが必要でしょう。水にはすこぶる強く、腐れ にも最強の木材でしょう。元来、ヒバを使用した住宅には、蚊、蠅などの虫は入ってこないと 云われるほど人気が有ったのも当然でしょう。他に米ヒバ、米国からの輸入材で、匂いは青森 ほどのものはないでしょう。そして、材料も心去り材(年輪中心部分がない)がほとんどで色 も淡黄色、強度的にも青森ほどはないでしょう。

●桧に関してはアラスカ桧、米檜、台檜など海外の性質のよく似た種類が有ります。日本では 木曾檜、吉野桧、尾鷲桧などが有名です。主に栃木県から南、四国、九州辺りまでの生産地の 範囲ですが、性質的には、生産地域の土壌、自然環境などによって、異なる部分が有ります。 木曾檜は造作向きで、木肌は全体に黄色で、心去り材として使用することが多いようです。 吉野、尾鷲材などは構造材として、年輪もしっかりしていて、非常に良い面を持っております。 特に、尾鷲檜の土台としての赤味の多い、全体の色の赤く見える部分の多いほど良いと昔から 云われております。桧には100年経っても10センチの太さ、一方20年でも同じ太さの物 もあり、木肌、木目、年輪の他木口の形も自ずと異なります。違いは年輪の他に木口から見て 赤味、白味の部分の占める割合が、つまり、年数が多いほど白味が減少して赤味が多くなり、 若木の場合これとは逆に白味の部分が多く占めます。白味は赤味より腐れ易い傾向が見られま すし、虫も入りやすで しょう。

●さて、東京駅丸ビル、関東大震災前に建立された建物の地下には5000本程の丸太が基礎 杭として使用されて居ましたが、ほとんど腐れは見られませんでしたとの報道が有ったのも最近 のニユースでしたが、見えない部分に木材の美点が見られました。

  ★2002年1月16日、旧丸ビルの基礎杭が元気に再登場致しました。上述の基礎杭が 千代田区大手町2丁目、日本ビル横広場に丸太製のベンチとして活躍する事となりました。 大正12年から旧丸ビル基礎として陽の目を見ず、じっと我慢をして来た木材がようやく 人々の目に触れることとなりました。製作には山梨県の工芸家、荻野雅之さんが携わった そうです。木材を愛する余り「よく頑張ったね」と声を掛けたそうです。